初めて行く場所なのに何か懐かしい
初めて聴く曲なのにどこか懐かしい
胸の奥がぎゅっとなって
ずっと探し続けていたものを見つけたような
涙が出そうになるような
意図的に作られた「レトロ」では無くて、
あくまで自分だけの感覚で
そんな風に感じる場所や音楽が、みなさんにもありますか?
小さな頃から、私は度々そんな感覚に陥る事があります。
その場所のひとつが「海」。
深海合唱団の存在を知った時、
参加出来たら良いなと思った理由のひとつが “海が好き” だったのですが、
正確には海に冒頭のような特別な感覚があるからでした。
東京生まれ埼玉育ちの私が、
どうして海をこんなに懐かしく感じるのか。
そして、海にまつわる歌を聴いても
同じような感覚を覚える事があります。
懐かしいの一言では片付けられない感覚。
子どもの頃特別頻繁に遊びに行ったわけでは無いし、何か特別な思い出があるわけでもありません。
やはり生命の起源と言われるだけあって
本能的な部分でそう感じているのか、
もっと他に何か理由があるのか。
海の他にもそんな風に感じる場所や曲があって、あの感覚に陥る理由は一体何故なのか。
メロディーを作るとき、
自分の中のその感覚に触れられるか
を意識しています。
あの感覚の正体を、
歌を作って歌う事で探し続けています。
音の重ね方、曲や楽器の構成などから
懐かしいと感じる曲の共通点を調べていけば
明確な理由なんて簡単にはっきりするのかもしれません。
世の中にはヒット曲の解析なんかもたくさんありますね。
実際に、科学的・理論的に人の心を揺さぶる理由みたいなものはあるのだろうし、
音楽療法などは社会的に役立てられています。
しかし個人的には、
なんでもかんでも理論的に解析してしまうのは、ロマンが無いなぁと思ってしまうのです。
(私は本当に感覚頼りで音楽を作っていて周りに助けてもらって活動が成り立っているので、そう言った面でまだまだ勉強しなくてはとは常々思っているのですが。。。)
深海合唱団で海について歌うことで、
一体あの感覚はなんなのか
一体自分は何を探しているのか
を追いかけていけたら
そして、
きっとこれからも懐かしく感じる青い海を
歌うことで守っていけたらと思っています。
これから先、もし歌う意味に迷う事があっても、
このピアスを身につける度に
そんな気持ちを思い出せる気がします。
カエルデザイン
カエルデザインは、様々な障がいを持つ人たちとともに、廃棄され海岸に漂着した海洋プラスチックやフラワーロス(廃棄花)などを回収し、アクセサリーなどに加工する、アップサイクルブランドです。
https://kaerudesign.net/
写真 / 松永奈々