「ギャラリーハラスメント」という言葉をご存知でしょうか。

ギャラリーや展示会に現れ、作家に対して交際目的やつきまといなど
過度に接触する迷惑客のことを、アートの世界ではそう呼んでいます。
特に若い女性が被害を受けやすく、その後の作家活動に影響が出ることから
ここ数年で問題視され、ギャラリー側から注意喚起等の対策がとられるようになってきました。

このような事例は美術界だけにとどまらず、私の携わるハンドメイドの世界でも注目され始めています。

たとえばハンドメイドイベント等で作家が一人でいる時に
長時間一方的に話しかけられたり、個人情報を執拗に聞かれたり、
作家のSNSに作家活動も関係のない連絡が何度も来たり。

相手が作品を購入する場合もあるため、なかなか断りにくく
迷惑行為の見極めが非常に難しい問題です。

またイベントの性質上、趣味が合う人との会話が盛り上がることもあり、
外からはハラスメントかどうかの線引きが難しいこともあります。
それでも自分と他人との間にはきちんと境界線がなくてはいけません。

立場上強く出られない立場の相手に対して困ったなと思うようなことは、
作家に限らず、カスタマーハラスメントにも通じます。
心当たりがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

もし少しでも困ったな、迷惑だなと思ったら、迷わず周囲に相談しましょう。
ちょっと困ってると誰かに話すだけでもいいです。
そして不快なことが意識できてきたら、できるだけ毅然にNOと言いましょう。
イベントに参加する作家なら周囲の出店者、運営に相談しましょう。

もし近くにおかしいな、と思う方を見かけたら、回りの人に伝えたり、
「これ見せてください」と第三者として声をかけることも効果があります。

自分の不快感に気づいて、それを口にすることはとても勇気がいることです。
でもそのちょっとした我慢がいつか大きなひずみを生み、
活動をやめたくなってしまうこともあります。

皆さんが声を上げたことによって
ハンドメイドイベントでも「ギャラリーストーカー」問題が可視化され
注意喚起、見回り強化を行ってくれるイベント主催者も出てきました。
自分を守るため、誰かを守るために、ぜひ情報を共有してください。
最初は自分のためだったほんの少しの行動が、自分だけでなく周囲を守る活動に繋がっていきます。

東京都では令和7年4月1日より「東京都カスタマー・ハラスメント防止条例」が施行されました。
こうした取り組みから、身近にあるハラスメントに対する対策について
これからも具体的に私たちに出来ることを考えていきたいと思います。

TOKYOノーカスハラ支援ナビ
https://www.nocushara.metro.tokyo.lg.jp/

AAYAA

深海の神秘★ダイオウイカに魅せられて、イカをメインとした愉快でお洒落な海洋生物アクセサリーをつくっています。
約500種いるイカの様々な魅力を伝える団体「日本いか連合」所属。推しイカはダイオウイカ。
「日本いか連合」ではオリジナルソングも製作。それを演奏するバンド「Gesoz」も始めました。
イカは海の様々な生き物たちに捕食される大事な生き物。海の影の主役かもしれません。
そんなイカの食べるだけではない生体の面白さなどの魅力を伝えていけたらと思っています。

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写真 / 松永奈々
ゲスト出演 / 牧野くみ