色の名をいくつ知っていますか?

あか、だいだい、きいろ
みどり、あお、あい、むらさき

子どもの頃によく歌っていた、曲名も分からない曲にこんな歌詞がついていたのをふと思い出しました。

光の反射と物体と脳によって見える無数の色には、かつて使っていた色えんぴつの種類からは想像できないくらい、それはそれは美しい名がたくさん存在します。

色名の由来を調べると、なんだか地球の歴史を辿っているようなワクワクがあります。

たとえば青色に分類されるなかのひとつ
「瑠璃色」は、まるで深海を思わせるような幻想的な青。

瑠璃(ラピスラズリ)という宝石の名を取って付けられたもので、この瑠璃の主成分である群青色の青色顔料は、海路で地中海地域へ運ばれた歴史があることから「ウルトラマリン(海を越えた色)」と呼ばれるそうです。

ほかにも、花や染料・空や地名から取ったもの。
季節感をあらわしたり、古来の伝統に由来するもの。
日常生活で色を伝達する手段として与えられてきたさまざまな呼び名を眺めていると、その名をつけた人の想いまで伝わってくるような気がしてしまいます。

好きな色彩の空間にいると心が安らいだり、
雨に濡れた紫陽花が切なげに思えたり、
はたまた、気分によって違った色に思えてきたり、

ときに感情をあらわすための表現にもなる。
心をうごかす色と、色を感じる心の関係性もとても面白いです。

何となく心惹かれて手に取った
一点もののイヤリング

作り手の感性で生み出されたチャームは濃淡さまざまな色が混ざり合っていて、
作った人の心の色があらわれているのかもしれない。
手に取った自分にも、何か通じるものがあったのかもしれない。
偶然組み合わさったようなこの色には、名が付いているのかな?

そんなふうによくよく眺めていると、
世界でひとつの配色、世界でひとつのかたちが
より特別に思えてきました。

自分だけのアクセサリーに、
自分だけの色の名を付けてみようかな。
あのメロディーを口ずさみながら、ほんの少し心が色めくのでした。

カエルデザイン

カエルデザインは、様々な障がいを持つ人たちとともに、廃棄され海岸に漂着した海洋プラスチックやフラワーロス(廃棄花)などを回収し、アクセサリーなどに加工する、アップサイクルブランドです。
https://kaerudesign.net/

写真 / 松永奈々